イーサリアムのショートポジションが増加　グレイスケールの先物ETF撤回受け

イーサリアム（ETH）トレーダーは過去24時間でショートポジションを積み上げた。グレイスケール・インベストメンツがイーサリアム先物上場投資信託（ETF）の申請を撤回したことを受けての動きだ。

コインマーケットキャップのデータ によると、イーサリアムは過去24時間で1.85%下落し、3010ドルの重要なサポートレベル近くで推移している。

しかし、清算マップによれば、短期的に価格が下落するというトレーダーの確信を強めており、価格が3%上昇すると3億4500万ドルのショートポジションが清算される可能性がある。一方、3%下落して2920ドルになると、2億3700万ドルのロングポジションが消えることになる。

Liquidation dataTraders are anticipating further decline for Ether's price according to lSource: CoinGlass

グレイスケールが5月7日にイーサリアム先物ETFの申請を撤回したことのと同時にこの動きがみられた。グレイスケールの先物ETFは、3週間後に米証券取引委員会（SEC）が可否を決定する予定だった。

また、イーサリアムが証券として分類される可能性や、今月後半のイーサリアム現物ETFの行方についても疑問が生じていることも影響したようだ。年初には楽観的な見方もあったが、5月23日の現物ETFの決定期日が近づくにつれて、アナリストはその可能性についてますます懐疑的になっている。

仮想通貨コミュニティのセンチメントも同様だ。仮想通貨予測プラットフォームのポリマーケットによると、参加者の92%が来月にイーサリアム現物ETFが否認されると 考えている 。

Polymarket participants are not optimistic about the chances of spot Ethereum ETF approval by the end of May. Source: Polymarkets

これに加えて、イーサリアムの全体的な利用状況と短期保有者（STH）からの投機的関心の欠如についても懸念が出ている。

「イーサリアムの使用量は現在非常に低く、バリデータへの発行に対してそのバーンメカニズムが追いついていない」と、仮想通貨オンチェーンアナリストのジェームス・チェック氏は5月7日の Xでの投稿 でのべた。

5月8日、グラスノードはイーサリアムの対ビットコインでのパフォーマンス低迷は、「STHコホートからの投機的関心の測定可能な遅れ」によるものだと 指摘している 。

しかし、その数日前には、一部のトレーダーはイーサリアムの価格が年末までにブレイクアウトを経験する可能性があると楽観的だった。

「2020年第4四半期と同様のフラクタルが見られる。歴史的なパターンに基づくと、2024年第3四半期にブレイクアウトが起こる可能性がある」と、仮想通貨トレーダーのアッシュ・クリプト氏は 5月6日にXで語った 。

「イーサリアムは現在、下落するウェッジパターンの中で動いており、価格は注目すべきサポートゾーンをテストしている。このサポートエリア周辺での横ばいの動きが予想される」と、仮名の仮想通貨コメンテーターのザ・クリプトパレス氏は5月1日に 述べている 。

翻訳・編集　コインテレグラフジャパン

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