著者  松田康生（まつだやすお） 楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ビットコイン反発、機関投資家のETF買いはまだ「頭金」段階？【仮想通貨相場】 image 0

ポイント

・67,000ドルトライに失敗するも下げ渋る

・ETFフローは4日連続プラスの見込み

・NY連銀総裁発言に水を差されるが、CPI受け利下げ観測が再浮上

・ビットワイズCIOは機関投資家のETF買い50億ドルは頭金と強気な見方

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。

未明にかけて61,000ドル（約945万円）から66,000ドル（約1025万円）台に上昇。しかし67,000ドル（約1049万円）をトライすに失敗すると、65,000ドル（約1010万円）台に値を下げている。

BTCはETFフローの回復や若干弱めだったCPIを受け61,000ドル台から66,000ドル台に切り返すと、ETFフローが＋303百万ドルと3日連続でプラスとなったこともあり66,000ドル台後半に値を伸ばしたが、4月23日付けた半減期直後の戻り高値を前に上値を押さえられた。

しかし、大手ヘッジファンド、ミレニアムを筆頭にプロの投資会社によるBTC現物ETF保有が次々に報告され、またCMEがビットコイン現物の交換所を計画しているとFTが報じる中、BTCは底堅く推移した。

週次の失業保険申請件数がやや強めとなり同時に発表された住宅指標が弱めに出ると再び66,000ドル後半に値を伸ばしたが、再び67,000ドル台を前に上値を押さえられると、ウィリアムズNY連銀総裁のCPIは満足いく内容だったが、それだけで政策を変更するには不十分というコメントもあり米長期金利が上昇する中、BTCは上値を重くしていった。

米株市場がオープンするとNYダウが史上初めて4万ドル台に乗せたが、達成感もあり上値を重くすると、BTCは小さなダブルトップを形成し一時64,000ドル台に値を落とした。

しかし、銀行の暗号資産カストディ業務参入を実質的に拒んでいるSECの規制の撤廃法案が難しいと見られた上院を通過したことも好感され、65,000ドル台に値を戻している。

本日のBTC相場

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