貸付サービス「Radiant」、76億円規模のハッキング被害
分散型金融(DeFi)のレンディングサービスを提供する「Radiant Capital」は16日、約5100万ドル(約76億円)相当のハッキング被害に 遭った。
これまでに、アービトラム(レイヤー2)とBNBチェーン(レイヤー1)上で 暗号資産(仮想通貨) の盗難が発生しており、それぞれ3200万ドルと1800万ドルのトークンが盗まれている。
これを受け同プロジェクトは、ユーザーに対してすべての同プロジェクト関連のコントラクト承認を削除(リボーク)するよう警告した。
また、コントラクト承認削除サービスのRevoke.Cashは、ユーザーがリスクにさらされているかどうかを確認できる 専用サイト を設置した。
「Radiant Capital」とは?
Radiant Capitalは、あらゆるチェーンをまたいだレンディングを可能にするDeFiプロトコルだ。仮想通貨RDNTも発行している。
2022年にArbitrum上でローンチされ、その後 イーサリアム(ETH) 、BNBチェーン、Base(レイヤー2)にも展開している。
ただし2024年1月には、アービトラム上でフラッシュローン攻撃に遭い、450万ドル以上の仮想通貨が盗難された。
フラッシュローンとは、無担保で仮想通貨の借り入れができる仕組みだ。この仕組みを利用することで、一度に大金を借り入れ、その資金で利益を上げ、即座に返済することが可能となっている。
内部情報の侵害が原因か?
今回のハッキングの原因は、同プロジェクトの機能に脆弱性があったためとされている。
セキュリティ研究を行うファズランドのトニー・ケ氏は、「Radiantはスマート コントラクトの制御にマルチシグ設定を活用していますが、これが内部で侵害されたようです。」と述べた。
これは、同プロジェクトチームのだれかがフィッシング攻撃を受けたか、コンピュータが侵害されたか、内部の攻撃者が秘密鍵の漏洩につながったことを示唆している。
仮想通貨業界では近年、フィッシング攻撃によって資金が盗難されている。2024年第3四半期には、フィッシング攻撃により1億2700万ドル(約180億円)以上が盗まれている。
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