著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・連日の上値切り上げは小休止、67,000ドル台でのもみ合い

・ハリス氏のFOX出演は振るわず、予想市場でのトランプ氏のリードは23ポイントへ

・イスラエルがハマス指導者を殺害、金価格は史上最高値更新もBTCは底堅い

・2-3月の水準に戻ってきたETFフロー第2弾がサポートか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は高値圏でのもみ合い。

今週に入って66,000ドル、67,000ドルと連日上値を伸ばしてきたが、一昨日に68,000ドル(約1015万円)台に到達した後は、概ね67,000ドル台でのもみ合い推移した。

BTCは先週金曜日未明に59,000ドル割れで切り返すと、予想市場でトランプ氏がリードを広げる中、月曜日に66,000ドル、火曜日67,000ドル、水曜日に68,000ドルと1日約1000ドルずつ上値を切り上げてきた。

激戦州での劣勢に危機感を覚えたハリス氏がメディア露出を拡大、これが裏目に出ている模様で、昨日も朝方保守系メディアFOXに出演したが、会話が殆ど噛み合わず、Polymarketでのリードが23ポイントに拡大した。

こうした状況を受けETFフローが急回復、昨日は485百万ドルとなり、今週に入って3日で1385百万ドルと2-3月の急伸時のペースに戻ってきたことが相場を押し上げた。ただ、アジア時間はそうしたフローの後押しが無いこともあり67,000ドル台での小動きが続いた。

そうした中、リップル裁判でSECが控訴書類の提出を1日遅延したのではないかとの指摘がSNS上で出回りXRP価格が急上昇したが、その後、控訴は有効だとの回答がSECからあった模様で、XRPは元の水準に値を戻した。

海外時間に入り米小売売上高が強くBTCは強含んだが、イスラエルがガザ地区で偶然ハマスの指導者シンワル氏を殺害したとの情報が流れ、BTCはリスクオフ気味に67,000ドルを割り込んだ。

しかし米株が堅調に推移すると、67,000ドル台半ばに値を戻した。その後、ネタニヤフ首相が任務は継続するとガザでの戦闘継続を示唆すると失望感もあり再び66,000ドル台に値を下げた。

しかし米株が底堅く推移する中、67,000ドル台に値を戻すと、今朝方は小さなダブルボトムが完成し、一時68,000ドルに値を戻した。

本日のBTC相場

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