著者  松田康生（まつだやすお） 楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・一時69,000ドル台に失速、史上最高値に跳ね返され、半値押しでサポート

・ハイテク株下落でリスクオフ、イベント前のポジション調整の可能性も

・イランが数日中に再報復との報道で一時70,000ドル割れ

・イランが攻撃なら65,000ドル、ハリス氏なら55,000ドル、両方なら50,000ドルか

昨日のBTC相場

昨日のBTC相場は反落。

一昨日73,000ドル（約1110万円）台後半の3月14日に付けた史上最高値にあと一歩のところで跳ね返されると、しばらく72,000ドル（約1095万円）台でもみ合い推移を続けたが、昨晩から今朝方にかけて失速、一時69,000ドル（約1050万円）台に値を下げた。

BTCは火曜日に7月29日の高値70,000ドルを上抜けると、水曜日未明には5月と6月の戻り高値72,000ドルを上抜けた。その勢いのまま73,000ドル台半ばに値を伸ばしたが、3月14日の史上最高値73,700ドルに200ドル足らずで跳ね返された。

その後も72,000ドル台で底堅く推移すると、昨日の朝方マイクロストラテジーの420億ドルのBTC購入計画を受け73,000ドルを再トライした。しかし、その後の発表で今後3年間の計画とのことでややトーンダウンすると決算が期待を下回ったマイクロソフトなどハイテク株が時間外市場で値を崩す中、BTCは72,000ドル台での推移を続けた。

日銀政策決定会合では予想通り金利は据え置かれたが、植田総裁が記者会見で利上げするまで時間的余裕があるという従来のコメントを削除、ドル円が153円台から151円台に失速する中、円建て価格はじりじりと下げていった。

注目のコアPCEデフレーターは若干強めとなりドル買いの動きとなる中、BTCは71,000ドル台に弱含むと、米株市場がオープン、ハイテク株が大きく値を下げリスクオフムードが広がると、70,000ドル台に失速。更に、イランがイスラエルへの攻撃を準備しているとの報道もあり一時70,000ドルを割り込んだ。

しかし、先週の安値65,000ドルから73,000ドル台の半値押しとなる69,000ドルにサポートされ下げ渋っている。

本日のBTC相場

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