イーサリアムのバリデーター、ガスリミット引き上げを支持する割合が10%を超える

イーサリアムのバリデーターのうち、ネットワークのガスリミット引き上げを支持する割合が10%に達した。これは、1つのブロック内に含められる取引のために使用できる最大ガス量を増やすためのコミュニティの取り組みによるものだ。

12月19日、ガスリミットを3,000万を超える値に引き上げることを支持するバリデーターの割合が10%に達した。12月以前は、ガスリミットの引き上げを支持するバリデーターの割合は1%強に過ぎなかった。

Ethereum gas limit signaling tracker. Source: gaslimit.pics

この増加は、イーサリアムコミュニティのメンバーがガスリミットを3,600万に引き上げることを推奨する取り組みに続く動きである。

ガスリミット引き上げで手数料削減の可能性

2024年3月20日、イーサリアムのコア開発者であるエリック・コナー氏と元メイカーダオのスマートコントラクト責任者であるマリアーノ・コンティ氏が「Pump The Gas」というウェブサイトを立ち上げ、ガスリミットを4,000万に引き上げるようコミュニティに訴えた。

コンティ氏は、ガスリミットを引き上げれば、L1の取引手数料を15%から33%削減できる可能性があると主張した。コナー氏は、ソロステーカー、クライアントチーム、プール、コミュニティメンバーにこの取り組みに協力するよう 呼びかけた 。

12月には取り組みがさらに本格化し、イーサリアムの研究者たちも参加した。12月9日にはイーサリアム研究者のジャスティン・ドレイク氏がバリデーターのガスリミットを3,600万に設定し、20%の増加が安全な範囲であると述べた。

一方で、2077コレクティブのクリエイティブディレクターであるエマニュエル・アウォシカ氏は、現在のガスリミットが需要の高いアプリケーションの展開を妨げていると指摘した。アウォシカ氏は、ガスリミットの引き上げは、意欲的な開発者に対してネットワークが「協力的な姿勢」を示す方法だと述べた。

ガスリミットのリスクも指摘

イーサリアム財団のトニ・ヴァーシュテッター氏は、ガスリミットの引き上げが安定性やセキュリティに重大なリスクをもたらす可能性があると警告している。「Pump The Gas」のウェブサイトもこれらのリスクを認識しており、イーサリアムの核心的な目標は分散化を維持することであると述べている。

「ガスリミットをあまりにも高く引き上げると、ソロノードオペレーターがバリデートやダウンロードを行うのが困難になるシナリオを作り出す可能性がある。技術は進化するが、時間をかけてゆっくりと引き上げていくのが理にかなっている」

また、ガスリミットの急激な引き上げは、ストレージや帯域幅を超えた「予期せぬ外部要因」を引き起こす可能性があると述べた。

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