ビットコイン、今朝の急落はトランプ政権誕生への期待の先走り?【仮想通貨相場】
ポイント
- 6万ドルに上伸、今朝方10万ドル割れに急落も切り返す
- 政府売却懸念の後退、TRUMPミームコインの急騰
- MELANIAコイン発行でTRUMPが失速、BTCも連れ安へ
- トランプ政権誕生への期待が先走った格好か
週末のBTC相場
週末のBTC相場は続伸。
金曜日に年初来高値10.2万ドル(約1610万円)を上抜け10.5万ドル(約1660万円)台まで上昇すると、週末はレジスタンスだった10.2万ドルがサポートとなり、今朝方10.6万ドル(約1675万円)台に上値を伸ばしたが、一時10万ドル(約1580万円)割れに急落、上に行って来いの展開となった。
BTCは、米当局の大口売りへの警戒感もあり、週初に一時9万ドルを割り込んだが、トランプ氏の大統領就任日が近づくに連れ、じりじりと値を上げていった。上昇した背景は主に2つ、1つは報道により初日の大統領令で期待される暗号資産政策が徐々に明らかとなったこと、もう1つは政府が保有する6.9万ドルが就任直前に駆け込みで売却される可能性が日を経るに連れ低くなったこと。
木曜日から金曜日にかけ一時9.8万ドル割り込んだが、NYポストに戦略備蓄に加えられる可能性を報じられたXRPが3.3ドル台の史上最高値を更新、ウォラー理事が3月利下げの可能性に含みを持たせ、大統領令で暗号資産を優先事項(Priority)と明記するとブルームバーグが報じると10.2万ドル台まで値を伸ばした。
10.2万ドル台の年初来高値に上値を追押さえられたが、海外時間に入っても政府保有分の移動は見られず、また長期金利の低下で米株が値を伸ばす中、ETFフローの後押しもあり10.5万ドル台に値を伸ばした。金曜日のETFフローは9.7億ドル、3営業日で23.5億ドルの流入となった。
週末に入るとトランプ氏によるミームコイン、TRUMPが発行され、急騰。2日足らずで時価総額が100億ドルを突破すると、発行チェーンであるソラナ(SOL)が史上最高値を更新、BTCも10.5万ドル台に回復した。このトークンの上昇によりトランプ氏の資産の大部分が暗号資産となり、それが税制面の優遇につながると言った憶測も影響したか。
更にマイケル・セイラー氏によるマイクロストラテジー社の追加購入を匂わせるXが投稿されると、今朝方10.6万ドル台に値を伸ばした。
しかし、トランプ氏が、メラニアトークン(MELANIA)の発行を発表するとTRUMPが急落。BTCも連れ安となり10.2万ドルをネックラインとするダブルトップを形成し、一時10万ドルを割り込んだが、10.2万ドル近辺に反発している。
本日のBTC相場
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著者 松田康生(まつだやすお)楽天ウォレットシニアアナリスト
東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。
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