イーサリアム財団、DeFi計画の一環として5万ETHを新しいマルチシグウォレットに送金

イーサリアム財団が5万ETHを新しいマルチシグウォレットに送金

イーサリアム（Ethereum/ETH）ブロックチェーンネットワークの開発を支援する非営利団体 イーサリアム財団 （Ethereum Foundation）は、DeFi（分散型金融エコシステム）への参加を目指してマルチシグウォレットを開設した。

Ethereum Foundation Treasury Update

The Ethereum Foundation ( @ethereumfndn ) has set up a new @safe 3-of-5 multisig wallet.

The wallet address is 0x9fC3dc011b461664c835F2527fffb1169b3C213e

An op has been initiated to send 50,000 ETH there, but be patient; due to signing delays,… pic.twitter.com/sIkAlH8ROf

— hww.eth (@icebearhww) January 20, 2025

イーサリアム財団が再投稿したXへの投稿によると、新しいマルチシグウォレットにより、同財団はDeFiエコシステムに参加できるようになる。財団は、オンチェーン資産管理プロバイダーの Safe （※旧名：Safe Gnosis）を通じて管理される3-of-5マルチシグウォレットに5万ETHの送金を開始した。

最近まで、財団は主にETH準備金を小規模プロジェクトのサポートに使用し、100ETHを売却することが多かったが、同財団は、DeFi市場に参加して受動的収入を得るために、ETHを大規模に使用し始める可能性がある。同財団は、おそらくAave（アーベ）金庫を使用して、DeFi用に5万ETHを確保している。なお、DeFiへの移行は、hww.ethアドレスで知られるイーサリアム財団のスタッフメンバーによって発表された。Aaveの創設者兼CEOであるスタニ・クレチョフ（Stani Kulechov）氏は、この決定をイーサリアム財団の新時代として歓迎。これまで財団はスワップに主にCow Protocolに依存しており、DeFiとのその他のやり取りはほとんどなかった。

The concerns historically were (1) regulatory, (2) if EF stakes ourselves, this de-facto forces us to take a position on any future contentious hard fork.

(1) is less than before, (2) remains. There's definitely ways to minimize (2), and we're recently been exploring them.

— vitalik.eth (@VitalikButerin) January 20, 2025

この発表は、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン（Vitalik Buterin）氏が、財団が新たなステーキングの選択肢を模索していると発言したことを受けて行われており、同財団が保有するETHの売却を続けているとして新たな批判を受けた後のものだ。

イーサリアム財団は清算されるのか

イーサリアム財団はAaveにローンを設定し、ETHを預け入れる代わりに他の資産を受け取る。

最大のリスクはAaveの清算であり、財団は担保を失いながらステーブルコインを残すことになる。Aaveは依然としてトップのDeFiプロトコルの1つであり、担保付きローンで210億ドル（約3.2兆円）以上を固定している。このプロトコルは、Sky Protocolなど、他のDeFiアプリの受動的収入源として機能しており、トランプのWLFI（World Liberty Financial：ワールド・リバティ・ファイナンシャル）にも技術を提供している。

イーサリアム財団のウォレットはすでにAaveへのテスト取引を実行しており、最も流動性の高いDeFiプロトコルの1つとして選ばれている。これまで、財団が保有するETHはほとんど受動的であり、あらゆる価格帯で直接販売されてきた。Aaveへのローンには清算範囲があり、追加のETH預金で相殺される可能性がある。