ビットコインは3カ月ぶりの安値に向けて「下落」の兆しを見せ、価格トレンドが警戒信号を点灯させている。

市場では「振るい落とし」が迫るとの見方

今月、ビットコインは狭いレンジ内での推移が続いているが、市場参加者の間では、状況が急速に変化する可能性が高まっている。

トレーディングリソースのマテリアル・インディケーターズが2月17日にXへ投稿した新たな分析によると、日足の移動平均線(MA)は、今後さらにBTC価格が下落する可能性を示唆している。

「ビットコインの日足チャートではデスクロスが発生しているが、一方でオーダーブックにはBTCの買い流動性が現れており、下落のボラティリティを抑える可能性がある」と投稿の一部で述べられている。

「FireChartsは、95,000ドルにローカルサポート、92,000ドルにセカンダリーサポートがあることを示している。このレンジまでのさらなる下落は、市場が求めるサポートの確認となるかもしれない。」

ビットコインの「デスクロス」発生、92,000ドルのサポート再テストを引き起こす可能性 image 0

BTC/USDT order book liquidity data for Binance. Source: Material Indicators/X

マテリアル・インディケーターズの独自ツールによるデータでは、バイナンスのBTC/USDTオーダーブックで95,000ドルに明確な買い関心があることが示されている。

さらに、このチャートは週末の間に全てのオーダークラスがBTCのエクスポージャーを削減していたことを示している。ただし、小口投資家だけは例外で、買いを続けていた。

マテリアル・インディケーターズは、「重要なのは忍耐と規律だ。ターゲットを明確にし、計画に従うことが大切だ」と助言している。

「デスクロス」とは、短期移動平均線が長期移動平均線を下回ることであり、直近の価格動向が相対的に弱いことを示唆する。これは、勢いが持続せず、長期的な下落トレンドの始まりとなる可能性がある。

マテリアル・インディケーターズの共同創設者であるキース・アランは、今回の下落について「振るい落とし(Shakeout)」と表現している。

「この下落を恐れていない。むしろ歓迎しており、長期ポジションを追加するチャンスと見ている」と、彼はXのフォロワーに向けて発言した。

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BTC/USDT 1-day chart with MAs. Source: Keith Alan/X

ビットコインの実現出来高が低下

米国の大統領の日(President’s Day)の祝日により、ウォール街が休場となったことで、機関投資家の関与が短期トレンドに影響を与えることはなかった。

トレーディング企業のQCP Capitalによると、市場全体の取引量は大幅に減少しており、ボラティリティの手がかりも不足している状況だ。

「BTCはレンジの中央に戻っており、7日間の実現ボラティリティ(realized vol)が36%に低下したため、インプライド・ボラティリティ(implied volatility)も予想通り下落を続けている」と、QCPはテレグラムの購読者向け最新レポートで述べている。

「暗号資産市場に特有の重要な材料が見当たらない中で、価格の動きはマクロ要因により左右されており、BTCと株式市場の相関性は依然として維持されている。」

既報の通り、 リスク資産の取引においては、再燃するインフレ圧力が依然として重要な要素となっている。

しかし、QCPは「最近のマクロデータにもかかわらず、ビットコインは比較的影響を受けていない」と指摘。オープン・インタレスト(OI、未決済建玉)も低水準を維持しており、市場は具体的な政策変更を待っている段階にある。

「これは、暗号資産オプション市場が単なるプロ暗号資産的な発言(pro-crypto rhetoric)ではなく、具体的な政策変更を待っていることを示している」と、QCPは結論付けた。

本記事は投資アドバイスや推奨ではありません。すべての投資および取引にはリスクが伴うため、読者は自身のリサーチを行った上で判断してください。