イーサリアムが20%下落すれば、3億3600万ドル規模のDeFi清算が発生する可能性
現実世界資産(RWA)レンディングプラットフォーム「RAAC」の創業者であるケビン・ラッシャー氏によると、イーサ(ETH)の価格がさらに20%下落すれば、分散型金融(DeFi)市場で最大3億3600万ドル規模の清算が連鎖的に発生する可能性があるという。
ラッシャー氏は、イーサ価格が1,857ドルまで下落すると1億3,600万ドル相当のローンが清算され、さらに1,780ドルまで下がると追加で1億1,700万ドルの清算が起こると警告した。これらの価格帯が今後注目すべき水準となる。
さらにラッシャー氏は、最悪のシナリオとしてイーサ価格が約1,500ドルに達する20%下落の場合、最大3億3,600万ドルのDeFiローンが清算され、市場全体が暴落する恐れがあると指摘した。ラッシャー氏はコインテレグラフに寄せた声明で次のように述べている。
「この危機の主な引き金となっているのは、Sky(旧Maker)における1億3,000万ドル相当のETH担保ローン1件です。この借り手は必死に追加担保を差し入れているものの、崩壊寸前の状況です。暗号資産市場では、毎サイクルで極端なボラティリティによって担保型ローンが大規模な連鎖清算に陥り、資産価格が暴落しています。」
ラッシャー氏は、こうした過剰レバレッジによる連鎖清算を防ぐために、不動産や金(ゴールド)といった価値が安定したRWAをDeFiエコシステムに統合する必要性を強調した。
Total ETH liquidations. Source: CoinGlass
ETH価格が急落、さらなる下落の可能性も
イーサ(ETH)はビットコイン(BTC)に対しても数年ぶりの安値をつけており、供給上限のある資産であるビットコインに対してさらに30%の下落が予測されている。また一部のアナリストは、ETHの下値目標として1,600ドルを指摘している。
ETH価格は過去7日間で15%以上下落しており、2月以降200日指数移動平均線(EMA)を大きく下回る水準で推移している。
相対力指数(RSI)は現在31となっており、売られすぎ圏に近づいていることから、短期的な底打ちや反転の可能性を示唆している。
Current Ethereum price action and analysis. Source: TradingView
イーサの失望的な値動きを受け、一部の市場アナリストからは、利益拡大のためによりパフォーマンスの高いアルトコインへの資金移動を勧める声も出ている。
トレーダーのアレックス・クルーガー氏は、3月12日のX(旧Twitter)投稿で以下のように述べた。
「まだETHを持っているなら、今こそそれを売って、もっとベータの高いアルトコインに乗り換える好機かもしれない。」
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