米国のデリバティブ取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が、ソラナ(SOL)先物の取引開始を予定している。この動きは米国で初のソラナ上場投資信託(ETF)の承認が近づいていることを示していると、ソラナ基盤のスワッププラットフォーム「Titan」の創設者であるクリス・チャン氏がコインテレグラフに語った。

3月17日、CMEはSOL先物契約を上場する予定だ。これは、2月にコインベースが開始した先物取引に続き、米国市場に登場するソラナ先物の1つとなる。

「この上場は、将来的なソラナETFの承認への道を開く」とチャン氏は主張する。

チャン氏は、米証券取引委員会(SEC)が早ければ5月にも、資産運用会社ヴァンエックとカナリー・キャピタルが申請した現物ソラナETFを承認すると予想している。

「規制されたソラナ先物の存在は、ソラナが資産として成熟していることを規制当局に示すものであり、同様のリスクと性質を持つ追加の金融商品を承認しやすくする」とチャン氏は指摘した。

先物市場と仮想通貨ETFの関係

先物契約とは、将来の特定の日に、原資産を売買するための標準化された契約だ。規制された先物市場は、デジタル資産のパフォーマンスを測定する安定したベンチマークを提供するため、仮想通貨ETFの裏付けとして重要な役割を果たす。

CMEはすでにビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の先物契約を上場しており、これらの仮想通貨のETFは昨年米国で承認された。

ミームコインを超えた成長へ

また、ソラナの先物の登場、そしてソラナETFは、2024年にソラナの成長を支えたミームコイン市場を超えた発展を促すと、チャン氏は指摘する。

「これらの商品は、より持続的な資本を呼び込み、決済や送金といった実世界のユースケースの発展を後押しする」と同氏は述べた。

「ミームコインほど派手ではないかもしれないが、次の弱気相場においてソラナの価格を支える長期的な収益源となるだろう」。

資産運用会社ヴァンエックによると、ソラナのブロックチェーンネットワークの収益の約80%は、Pump.funなどのプラットフォームを通じたミームコイン取引に依存している。

しかし、2月には一連に発生したミームコインLIBRAのスキャンダルにより、ソラナネットワーク上の活動が低下し、個人投資家のセンチメントが悪化した。

シカゴ・マーカンタイル取引、ソラナ先物を上場へ — ソラナETF承認への道を開くか? image 0

Solana vs. Ethereum price chart. Source: TradingView

イーサリアムとの競争

それでも、ソラナ上の仮想通貨取引高は、イーサリアムのレイヤー2スケーリングチェーンを含むエコシステム全体と匹敵する規模を維持していると、ヴァンエックは 3月6日に報告している 。

チャン氏は、ソラナETFは個人投資家の間で人気を集めると予想しており、その背景にはライバルであるイーサリアムの課題があるという。

ソラナのネイティブトークンであるSOLは、2024年初頭以降、イーサ(ETH)の約2倍のパフォーマンスを記録している。

一方、イーサリアムの価格は、2024年3月の「デンクン」アップグレードにより取引手数料が約95%削減されたものの、その後伸び悩んでいる状況だ。

「ETHの極端に弱気な値動きを見ると、ビットコイン以外の仮想通貨に投資したいが、過度なリスクは取りたくない個人投資家にとって、ソラナが唯一の選択肢となっている」とチャン氏は指摘する。