ソラナの運営チームは、Xに投稿した広告がジェンダー・アイデンティティに関する政治的メッセージを含んでいたとして批判を受けた後に削除した。

3 月17日に投稿された 「America is back. Time to Accelerate(アメリカが戻ってきた。加速する時だ)」というキャプション付きのソラナ・アクセラレート・カンファレンスの広告は、セラピーを受ける「アメリカ」という男性が登場する。

この男性は「仮想通貨のようなイノベーションについて考えている」と話す。これに対し、セラピストは「もっと生産的なことをするべきだ。新しいジェンダーを考え出すとか」と返答する。

会話が続く中で、男性は突然キレて愛国的な音楽が高まる中、「オンチェーンで構築し、イノベーションの象徴としての地位を取り戻したい」、「ジェンダーではなく技術を発明したい」と語る。この発言は進歩的な価値観に対する批判ともとれるものだった。

この広告は削除されるまでに120万回以上視聴され、1300件以上のコメントと1400件のリポストが寄せられた。多くのユーザーが、ジェンダー・アイデンティティに関する扱いや、政治的に対立が激しいテーマを軽視するような内容について批判した。

シネメイン・ベンチャーズのパートナーであるアダム・コクラン氏は3月18日、「ビジネスに悪影響を与えたから撤回したのであって、間違っていると思ったからではない」と Xで指摘した 。

Took them 9 hours to delete it.

Also all the major players in the Solana ecosystem suddenly delete their tweets promoting/supporting the ad and RT’d and liked takes about it being bad.

They approved this, supported it and celebrated it.

They rolled it back because it hurt… pic.twitter.com/kPMERDpTcn

— Adam Cochran (adamscochran.eth) (@adamscochran) March 18, 2025

ソラナは広告を削除した理由を公表しておらず、ソラナ財団もコメントの要請に応じていない。

Web3インフラ企業ブロックネイティブのCOO、ショーン・オコナー氏はXで「これは完全に無神経なものだった」と 批判した 。

「トランスジェンダーの人々がパスポートを拒否され、政府によって存在を抹消されようとしている時に、こんな広告を出すのか?」とも述べた。

トランプ大統領はホワイトハウスに復帰した初日に、ジョー・バイデン前大統領がジェンダーや性的指向に基づく差別を防ぐために発令した大統領令を撤回した。

さらに、男性と女性の2つの性別のみを認める大統領令に署名し、パスポートで「X」を性別として選択できるオプションを廃止した。

ダブルゼロのCOOであるデビッド・マッキンタイア氏は、ソラナの広告を「ひどい」とし、「ポジティブなメッセージを打ち出すのではなく、なぜ人々を攻撃し、深刻な文化的問題を軽視するような内容にしたのか」と 疑問を呈した 。

ソラナ開発プラットフォームHeliusの共同創設者であるニコラス・ペニー氏は、「どんな政治的イデオロギーかに関係なく、美徳シグナリングは常に痛々しいものだ」と Xで述べた 。

当初、この広告を支持していた一部の人物も、批判の高まりを受けて支持撤回に動いた。

マルチコイン・キャピタルの共同創設者であるトゥシャー・ジェイン氏はXで、広告を称賛した最初の投稿を「考え直した後に削除した」と 説明した 。

ジェイン氏は以前、この広告を「大胆でリスクのあるもの」と評価し、「元副大統領のカマラ・ハリス氏がセラピスト役を演じていれば、さらに良かっただろう」と述べていた。