仮想通貨アナリストらによれば、ビットコインの1月の最高値からの調整は、通常のサイクル内の下落であり、異常な動きではないという。アナリストは、依然として価格のピークは先にあるとの見方をコインテレグラフに語った。

コレクティブ・シフトのベン・シンプソンCEOは、「強気相場は終わったとは思わない。マクロ経済の影響でサイクルのピークが遅れており、グローバルな流動性環境も良くないため、仮想通貨市場の追い風にはなっていない」とコインテレグラフに語った。

ビットコインの調整は想定内の動き

「ビットコインの今回の調整は3回目または4回目の25%の下落であり、前回のサイクルの12回と比べると少ない」とシンプソン氏は指摘する。

ビットコイン(BTC)は1月20日に記録した過去最高値10万9000ドルから24%下落しており、その背景にはトランプ大統領の関税政策や米国の金利動向に対する不透明感がある。しかし、シンプソン氏はこの下落を「通常の調整」と表現する。

「市場は加熱しすぎていたため、一度冷却期間が必要だった。現在、市場は新たな基盤を見つけようとしており、次の新たなストーリーを待っている状態だ」と同氏は分析する。

ビットコインの調整は通常のサイクルの一部 強気相場のピークはまだ先か=仮想通貨アナリスト image 0

BTCは過去1ヶ月で13.5%下落. Source: CoinMarketCap

デライブの創業者であるニック・フォースター氏も同様の見解を示し、「ビットコインは通常の調整局面にあり、サイクルのピークはまだこれからだろう」と述べた。

「歴史的に見ても、ビットコインは長期的な上昇トレンドの中でこの種の調整を経験してきた。今回も例外とは考えにくい」とフォースター氏は強調する。

トランプ氏が2024年11月の米大統領選で再選を果たした後、ビットコインは1カ月で36%急騰し、12月には初めて10万ドルの大台に到達した。記事執筆時点では、ビットコインは8万2824ドルで取引されている。

ただし、フォースター氏は、今後6カ月のビットコイン価格は伝統市場の動向にますます依存するとの見解を示した。

インディペンデント・リザーブのエイドリアン・プレゾルニーCEOも「ビットコインだけでなく、マクロ経済の影響はすべての資産クラスに広がっている。これが世界的なインフレの加速や国際的な成長の減速につながる可能性がある」と警鐘を鳴らした。

ビットコインの価格トレンドは急変する可能性も

フォースター氏は、現在のビットコイン価格の推移は、過去の大規模な上昇前の動きと類似していると指摘する。「市場は混乱しているように見えるが、過去にも同様の局面があった」と説明した。

コレクティブ・シフトのシンプソン氏は、次の市場の話題は「米国の利下げ、量的引き締めの緩和、グローバルな流動性の拡大」になると予測する。

しかし、カプリオール・インベストメンツの創業者であるチャールズ・エドワーズ氏は、ビットコインの強気相場が続いているかどうかについて慎重な姿勢を示した。

「確率は50:50だ」とエドワーズ氏はコインテレグラフに語った。

「現在のオンチェーンデータを見ると、確かに強気相場は終わったように見える。しかし、もしFRBが年後半に金融緩和を開始し、バランスシート縮小を停止し、ドルの流動性が増加すれば、状況は急激に変わる可能性がある。このシナリオが起こる確率は決して低くない」と同氏は分析する。

仮想通貨相場を巡っては、クリプトクアントの創業者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏が最近、「ビットコインの強気サイクルは終わった」と 主張した 。さらに同氏は「今後6~12カ月間は弱気または横ばいの相場が続くと予想している」と述べている。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。